2004年11月12日

【ふたりはプリキュア】萌えずに分析、プリキュア 〜正しい日曜日の過ごし方 その三

毎週日曜日 AM8:30〜9:00 @ テレビ朝日系列

ふたりはプリキュア
01





プリッキュア プリッキュア
プリキュア プリキュア プリキュア プリキュア
プリティで キュアキュア 
二人は プリッキュア〜!


デカレンジャー、ブレイド、と観終えたら、
とりあえずチャンネルはそのまま放置しておく。

きっと新しい世界が見えてくる・・・
はずである。


何だかとんでもないアニメが始まるのだ。
まず、オープニングテーマが・・・物凄い。


一難去ってまた一難 ぶっちゃけありえない!!



こういう歌詞のテーマソングが流れ出す。
子供向けアニメ、
主に幼稚園〜小学校低学年の女の子向けのアニメのはずである。
正しい日本語を教えようなどという教育的な配慮は、微塵も感じられない。
とてつもなく怪しい日本語が、
不気味なほどポップなメロディーとともに鳴り響く。

いや落ち着いて観れば、オープニングは
「割と軽快で心地よいアニメーション」と言えなくもない。
確かに「ノリ」は絶妙に良い。

アクションアニメのオープニングとしては
このくらい羽目を外してしまっていた方が
視聴者を引き込めるのかもしれない。

ちなみに、ある友人は
オープニングのこのカットで

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失敗なんて メじゃない!


アニメーションに合わせて一緒にアゴをあげてしまうらしい。
正直そこまでいくと病気なので、リズムにのるのもほどほどにすべきだと思う。


ふたりはプリキュア概説

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シリーズ構成にアニメ「釣りバカ日誌」ほか数多くのTV番組で活躍中の川崎良。シリーズディレクターには「ドラゴンボールZ」、「エアマスター」などダイナミックなバトルを演出した西尾大介。キャラクターデザインには「明日のナージャ」、「おジャ魔女どれみ」で作画監督、「夢のクレヨン王国」でキャラクターデザインを務めた稲上晃。
東映アニメーションが気鋭のスタッフとともにお送りする「極上のエンタテイメント」をご堪能ください!
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
というのが、番組スタッフからのメッセージである。なんだか凄そうだ。


・プリキュアとは何か、その使命と役割。

「ふたりはプリキュア」は、二人組の女子中学生が
「プリキュア」と呼ばれる戦士に変身して、悪と戦うという
話である。

設定自体は使い古された感もあるのだが、
「プリキュア」がどんな意味なのか、全くもって不明である。

オープニングで、「プリティでキュアキュア」という歌詞がある。
おそらく、「プリティ」も「キュアキュア」も形容詞的に使われている。
プリティはともかく、「キュア」の意味するところが分からない。
思いつくのは「cure」くらいだろうか。

cure
名詞…医療、治療(法)、薬、救済法、矯正法、解決法、治癒、回復
動詞…〈人・病気を〉治す、〈悪癖・悪習を〉直す、矯正する、〈問題・状況を〉解決する、改善する

キュアがcureだとすると、「悪である状態を治癒する、解決する」
という意味でも込められていると推測できる。

いや、よく辞書を見てみると、こういうのがあった。

cure〔名〕《俗》奇人、変人

・・・。
「プリティでキュアキュア」=「可愛らしい超変人」

いや、やはり子供のヒロインがこれじゃまずい。
「可愛いい解決人」
そういうことで片づけておこう。

それ以前に、真面目に検討することに意味なんてないかも知れないが。

さて、
主人公は「美墨なぎさ」と「雪城ほのか」という女子中学生である。
変身すると、前者が「キュアブラック」、後者が「キュアホワイト」になる。
(「黒い変人」「白い変人」でないことを祈る・・・。)

彼女たちは、伝説の戦士プリキュアであり、
異次元にある「光の園」という世界を守るために戦うのである。
ちなみに、一般の世界は「虹の園」と呼ばれている。

敵役は、「ドツクゾーン」の「邪悪キング率いるザケンナー」である。
「どつく」だとか、「ざけんな」だとか、こういった言語センスは
東映の十八番なのかもしれない。

プリキュアのテーマとして、「女の子二人の友情」というものがある。

11

困難に対して協力して対処することによって、信頼関係を強めていくのである。
テーマソングの中でも謳われている。


主な登場人物は、上記の二人。他に変身するキャラはいない。

分かりやすく「美少女戦士セーラームーン」に例えてみる。
(分かりやすいかどうか分からないが)

なぎさが月野うさぎ(セーラームーン)、ほのかが水野亜美(セーラーマーキュリー)というタイプのキャラクターである。

さて、実はこれが最大の問題点である。

変身キャラが二人しか登場しないというのは、
商業的には大失敗といえる。

おにゃん子クラブ、ジャニーズの各グループ、モーニング娘。
などが歴史的に体現してきた、
「数撃てば当たる」定理から逸脱している。

「これだけメンツがいれば、誰でも一人くらいストライクゾーンがいるだろう。」という定理である。

大先輩のセーラームーンを見習わない意図が不明である。
セーラームーンの最大の成功要因は、キャラクターのバリエーションだと思う。
主役キャラが複数いることによって、
年配のアニメオタクを巻き込めた。
むしろアニメオタクを新たに生産したのかもしれない。

「幼稚園児からおじさんまで」
究極の守備範囲の広さを実現できたセーラームーン。
この成功例を真似ない手はないと思うのだが。

プリキュアには最低、後一人、追加キャラが必要である。
少なくとも、火野レイ(セーラーマーズ)役が必要だ。

僕自身はセーラームーンについての知識は皆無なので
これ以上の言及は墓穴を掘りそうだが、
セーラームーンの後追いをしていけば、
もっとヒットさせられるのではないだろうか。


・プリキュアの変身

なぎさ、ほのか二人が揃わないと変身は出来ないらしい。
(このあたりは、バロム1を想起させる。)
二人が手をつなぎ、
「デュアル・オーロラ・ウェイブ!」
というかけ声とともに、
「プリキュアカード」を「プリティコミューン」と呼ばれる
携帯電話のようなものに通して、変身する。

また、この変身ムービーが問題である。

03

主人公たちは終始、銀色に輝いている。

「大きなお友達」が好むようなお色気シーンではない。
日曜の午前中という時間帯に配慮したのかどうかは不明である。
ただ、セーラームーンは確か、ゴールデンだった気がする。

そもそも、露出度の高い変身シーンで茶の間の視線を引っ張るというのは、一つのパターンなのだ。
キューティーハニー以来の伝統である。

このあたり、制作者の意図が理解できない。

あえて弁護するとなれば、
「録画機器が広く普及した現在において
一瞬のカットで視聴率を稼ごうという作戦は無駄。」
ということかもしれない。

しかし、美少女アニメが長い歴史の中で培ってきた手法を放棄するのは、伝統に対する挑戦である。

それは因習の破壊なのか、伝統の破壊なのか・・・
吉と出ているのか、凶と出ているのか・・・
僕に判断はつきかねる。

ただ、「お約束」を期待する方々の期待をあっさり裏切ってしまうのは、やはりマイナスなのではないだろうか。

さて、変身の続き。

04 05
「光の使者、キュアブラック!」  「光の使者、キュアホワイト!」

06

「二人はプリキュア!」


07 08
「闇の力の下僕たちよ!」  「さっさとお家に帰りなさい!」


決めポーズに、決め台詞。

これに関しては、伝統に忠実である。
ポーズと台詞は、もはや仮面ライダーですら失われているものだが。

変身後のコスチュームも至って健全なデザインである。
変身後より、変身前の学校制服の方が「男性の心に訴える力」があるのではないだろうか。


・プリキュアの戦闘シーンに見る、伝統と革新

プリキュアは武器を一切使わない。
必殺技は「かめはめ波」みたいなものである。

09
「プリキュア・レインボーストーム!!」

戦隊ヒーローも仮面ライダーも武器を使うこの時代に、肉弾戦を敢行する。

「ひみつのアッコちゃん」、「魔法のプリンセスミンキーモモ」が産み出した「変身セット」を保持しつつ、
「ドラゴンボール」のテイストをミックスしたつくりである。
(ディレクターはドラゴンボールと同一。)

アクションシーンは、確かにドラゴンボール的な爽快さはある。

しかし、商業的にはどうだろうか。
「プリティーコミューン」は当然商品化されているが、
「魔法の杖」的な武器があれば、バリエーションは増えたはずである。

実際、どれだけの売り上げを見込めるのかは謎だが。


ちなみに、こういう脇役が出てくる。

12

彼らは語尾に「〜ぽぽ」「〜めぽ」「〜みぽ」などを付けて会話をする。
こういった「カワイイ」キャラがどれだけ幼児の心をつかんでいるのかは不明だが、
制作サイドのペットブームに便乗した作戦だと思える。


・教育的見地から考察する「ふたりはプリキュア」

なぎさとほのかの二人は、ベローネ学院という学校の
「女子部」に在籍している。
そして「男子部」も存在する。
しかし一応は、男女別学の学校に通っているのだ。

この女子部・男子部は、何に配慮しているのか全く分からない。

この作品は学園モノ・青春モノである以上、
当然「恋愛的要素」もふんだんに織り込まれている。

そして、男子部・女子部の制度的な距離が異常に近い。
まるで共学状態である。

これでは、
「男子校・女子校に通っても、まともな学生生活を送れる」という
誤った情報を子供たちに刷り込んでしまう。

実際の男女別学はそんなに甘いものではないということは、
経験者なら誰しも分かるはずだ。

そして使われる言葉について。
なぎさは劇中で
「ありえなーい!」
を連発する。
オープニングも「ぶっちゃけありえない!」という歌詞だ。

流行に安易に迎合するのも一つの正解だとは思う。

しかし、そろそろPTAから苦情でも来ているのではないかと心配してしまう。


補足と若干の考察

最後に、エンディングについて触れておく。
これがまた、凄まじい・・・。

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あー  レッツゴー!
ゲッチュウ!
L・O・V・E ラブラブ ゲッチュウ!
DATTE やってらんないじゃん
ファイターより 乙女チックに
get you!love love モードじゃん

<中略>

チョコパフェとか、イケメンとか
マジに夢中になれる年頃なの
今日も告白したかったよ
(パパヤパヤ)

<中略>

DATTE やってらんないじゃん
戦うより 抱き合いたい
get you!love love モードじゃん
それが一番平和だ
なのにどうして?
今日もこうして!
チョコ食べまくる、くる、くる。



もはや日本語がどうとか言うレベルではないのは確かだが、
作詞者としては、女子小中学生の気持ちを代弁しているのだろうか。
だとしたら、恐ろしい世の中だ。


プリキュアは来シーズンも続編の放送が決定しているようだ。
「ふたりはプリキュア Heart Max (仮)」

それなりに好評を博しているということなのだろうか。
今現在、プリキュアは大量の「大きなお友達」を量産しているのだが、
社会現象と呼ばれるには、まだまだである。

いっそうの奮起を期待したい。


まとめ

話のタネに一度は見ておくことをお勧めしたい「ふたりはプリキュア」。

日曜の朝、早起きして戦隊モノ・仮面ライダーで
幼い頃に置き忘れた「正義感」をもう一度思い出してみる。
そして、プリキュアで巷で流行の「萌え」を体感してみる。

日曜の午前中の過ごし方としては理想的ではないか。
しかもプリキュアを観ても、まだ午前九時である。

プリキュアを観る生活なら、映画館の初回上映にも余裕で間に合う。
午後から競馬場に行っても良い。
サッカー観戦に行っても良い。

日曜日を有効に使うためにも、
朝起きてテレビを観るという習慣を付けておくと良いと思う。


僕は、日曜日に早起きして特撮やアニメを観ていると、
子供の頃を思い出す。

常々前向きに生きていきたいとは思うのだが、
たまには昔のことを思い返してみるのもいいのかもしれない。

もちろん、過ぎ去った日々は帰らないからこそ美しいのである。

ただ、過ぎ去った日々を追体験することで、
自分という人間の原点を確認することができるかもしれない。

幼かった頃の純粋な心をふっと思い出す。
週末にそんな体験をしておくと、
月曜日からの明日を生きる活力を養えるのではないだろうか。

ただし・・・
特別番組でプリキュアの放送がなかったからと言って
すねてしまうような大人にだけは、ならない方が賢明だと思う。


さあ、「ありえない世界」へようこそ!







この記事へのコメント
おおきなお友達は、毎回大変そうですな。首が疲れて。
Posted by ぷりくま at 2004年11月14日 08:33
駄目だ…。俺もう下川君のブログに萌え〜w
すげぇよ、アニメでこれだけの分析ができるなんて!!
いや「アニメで」というのは間違いですな。
アニメも日本においては一つの大きな文化。
俺だってそれを見て育ってきたわけだし、
最近でもボーっと見てて幸せなひと時を過ごしてしまう時もあるし。
ただ、「継続」ができないんだよね。
その点、日曜の朝なら!
確かにこれを見てからでも行動できますね。

いや〜面白かった!
下川君も人気blogランキング登録したら?
マジですぐ人気出ると思うよ!
Posted by みきんちょ at 2004年11月14日 09:28
>ぷりくま氏

ええと、僕は大きなお友達ではありませんよ(笑)
でも、大きなお友達のおかげで日本の消費も上向くと思えば、それもよし。間違いない。

>みきんちょ氏

これはこれは、お褒め頂きありがとうございます(笑)
くだらないことを大まじめに検証するのも、結構やってて楽しいもんですよ。気がついたら、随分分量を書いてしまっていた・・・。
ちなみに、僕はそれほどアニメオタでも特撮オタでもないので、客観的なことも言えるのかなと、思います(笑)

ブログランキングって、興味あるけれど、閲覧者にクリックしてもらわないといけないっていうのが、やや引っかかりますよね〜。うーむ・・・。
Posted by マフティー@管理人 at 2004年11月15日 23:47
こんばんわ!
すばらしい分析に思わずTBしてしまいました。
実写版のセーラームーンよりはまだ見れると思いますが・・
Posted by 獅子神頭取 at 2004年11月21日 18:19
こんばんわ、獅子神頭取様、はじめまして。
お褒めにあずかり光栄です(笑)

TB有り難うございます。
獅子神頭取さんの素敵なイラストにくらっと来ちゃいました。ぶっちゃけありえません(笑)
Posted by マフティー@管理人 at 2004年11月21日 18:37
ググってたらたどり着きました。
こんなふるいコメント見るかどうかわかりませんが。

もう一人増えるってまさにその通りでしたねwwwwww
3人になっても、二人はプリキュアですが。
Posted by 通りすがり at 2005年12月21日 23:19
>通りすがり様

コメントありがとうございます!
増えちゃいましたね、一人・・・w

ほとんど無理矢理に、
2人+1人というスタンスを貫き通している感はありますが。
もはや東映アニメーションのキラーコンテンツとなってしまったこのアニメ、
おそらく3人になっても「ふたりはプリキュア」なんでしょうねぇ・・・。
Posted by マフティー@管理人 at 2005年12月23日 10:46
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Tracked: 2004-11-21 18:15