2006年09月05日

メディアは踊る、されど解らず。

いろいろとやりきれないことも多いけれど、
何があっても感性だけは摩耗させるわけにはいかない。

そういうわけで、先月までに観た残りの映画のメモをまとめおく。


水の花』 それでもエールを。

mizunohana.jpg

監督・脚本:木下雄介
出演:寺島咲/小野ひまわり

『バーバー吉野』、『運命じゃない人』につづくPPF(ぴあフィルム・フェス)のスカラーシップ作品。
23歳の俊英監督が指揮を執った本作。
大林宣彦監督の『理由』でスクリーンデビューを飾った寺本咲主演。

日曜日の夜中にがらがらのユーロスペースで鑑賞してきた。
(こういう時間がひたすら至福なわけだ、心から)

映画は、というと、残念ながら期待はずれの出来。

・・・俯瞰でみると何気ない日常だったが、
じっと寄って見てみると、
人々心の動きには形容しがたい激しい波があった。
・・・結果的に事件にならなかったが、
一歩転べば事件になっていた。
そういう時間を描いている。

ただどうしても、全体的にやや冗長な印象がぬぐえない。

この映画の特徴として、
引きの撮影が多いためか、全般的に画面が暗く、登場人物の表情が極端に分かりづらい。良くも悪くもそれが目立つ。
しかし、子供が雨の中バレエを踊るシーン、ラストの落とし方など、
魅せるシーンは多々あった。

次回作に期待したいところ。



ラフ -Rough-』 rough? no... laugh!

rough.jpg

監督:大谷健太郎
原作:あだち充『ラフ』
出演:長澤まさみ/市川由衣/高橋真唯/黒瀬真奈美/速水もこみち/阿部力/八嶋智人/田丸麻紀

『タッチ』より酷い出来。この説明だけで十分だろう。
以上、映画の話は終わり。

ある方の好意で初日の舞台挨拶を観ることが出来た。
長澤のオーラに全てが霞む状況だったが、そんな中でも独特の雰囲気を出すことに成功している高橋はさすがに強か。この子は大器だ。

一方で長澤の隣に立たされた市川があまりに可哀想だった。
もともとグラビア出身の市川が貧相に見えてしまうのだから、長澤まさみという素材の持つ驚異的な輝きには改めて脱帽。

もう少し教養を身につければもっと上に行けるに違いないのだが。
知性は顔にも喋りにも出るから、間違いなく。

劇中でも長澤と市川が並ぶシーンが割と長時間あるのだが、これはもう撮影のやり方として大失敗だろう。
滑稽以外の何ものでもない。

映画は作品としては観る価値はゼロ。
ただ、長澤ファンの方はDVDなりHDDVDなりが出たら絶対に買うべし。
それ以上は特に語ることもない。

長澤のファンであるならばマスト、そうでなければ無視して正解。

以下、少しばかりの蛇足を。

次々とはずれるあだち充原作の映画を観るにつけ、彼の漫画を映像化することに無理があるのかと思ったこともあった。
が、批判を恐れずに言えば、あだち充作品というのは所詮この程度なのか、
というのが改めての実感だ。

つまり・・・あだちの作品はどこまでも80年代的センスの域を出ないのである。
代表作のタッチが名作であることを否定する気は微塵もないが、
それはあくまでそこ止まり。
あらゆる青春モノの原点の一つかもしれないが、
あまりにティピカルな青春モノに過ぎない。

スポーツ漫画を大雑把に振り返れば、まずは、
「巨人の星」や「あしたのジョー」、「アタックNo1」といった熱血・スポ根の劇画的作品ありきだったのではないだろうか。
そしてあだちという才能がスポーツ漫画に異質なモノを持ち込んだと思える。
それは例えば少女漫画的な柔らかい絵が象徴するような軽やかさ爽やかさだった。
暑苦しいスポーツモノに黄色い軟派な要素を持ち込むことで、新境地を拓いた。

タッチにしろ何にしろ、当時は新鮮な作品だった。
そして今見れば懐かしい作品である。十分に楽しめる
それはそれで良い。

・・・しかし、全てはそこで完結する。先には進めない。

だいたい、今時「恋愛のためにスポーツに取り組む」という、浅はかな精神が広く受け入れられるとは思えない。
今時のスポーツ選手はお洒落だし頭も切れるし計算高いのだ。そして何より器用だから恋愛と仕事=スポーツは別次元で捉えているし、実際そういう選手の方が大成しているのではないだろうか・・・。

一人の女の子を巡ってスポーツで対決する、という構図がもはやアナクロなのだ。

仮にあだち作品を題材に、本気でいいものを作ろうというのならば、
現代版「ロミオとジュリエット」を目指すべきではなく、
現代版「ラフ」を目指すべきなのだ。

もう、シェークスピアもあだち充もこの時代からみれば五十歩百歩。
彼らの作品をなぞるにしても、新しい才能による換骨奪胎なくしては、古典の単純な焼き直しで終わってしまう。

あだち作品を現代的にスクリーンに描くには、あだち以上の才能がスパイスを込める必要があるということ。愛と信念を持って。


・・・以下、映画を巡る冒険。

『時をかける少女』 ◎
『攻殻機動隊-STAND ALONE COMPLEX- Solid State Society』@スカパー! ◎
『ただ、君を愛してる』@試写会 ×


『時をかける少女』は万人に勧めたい作品。
映画館でなければ得られない感動もある。迷っている暇はない。

・・・この後は、待ちに待っている『夜のピクニック』をチェックすれば今年のマストはコンプリート。
余力があれば『メトロに乗って』『LOFT』あたりを眺めれば、今年も平和に暮れていく・・・。


この記事へのコメント
> 『タッチ』より酷い出来。この説明だけで十分だろう。

はい,十分です(苦笑)。

ところで,話題違いで恐縮ですが,なかなかリアクションが難しいニュースですね↓↓↓

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060908-00000112-jij-soci

なぜ難しいかというと,題材がフジテレビの「大奥」の後追いだからです。
近年の大河ドラマの格調の低さも気になるところですが。

何はともあれ,何とか成功裡に終わってほしいものです。
Posted by ねどべど at 2006年09月08日 22:00
このニュースに対しては、あきれてモノも言えないというのが、正直な感想です。
そろそろ潮時ですね・・・。

ここのところの見るに堪えない大河ドラマ(何を勘違いしてか「トレンディー」ドラマ化してしまった)には微塵の期待も抱くことができませんが、
それ以上に、また一つの才能がその未来を絶たれたことへの悲しみが僕を襲うのです。
Posted by マフティー@管理人 at 2006年09月13日 01:11
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/22994398
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック

駆け出し運命鑑定士の勝手に四柱推命館!!
Excerpt: こんにちは。速水もこみちさまの運命鑑定をしてみました!!はたしてその運命は!?ぜひご訪問ください。ご覧いただけるとほんとにうれしいです(^^・・。もし必要なければお手数ですが削除してください。失礼いた...
Weblog: 速水もこみちさまの運命は?
Tracked: 2006-09-06 21:41

芸能情報
Excerpt: 芸能界のイロイロ
Weblog: 芸能情報
Tracked: 2006-10-02 14:54

高橋真唯 水着画像 壁紙 掲示板プロフィール紹介
Excerpt: 高橋真唯(たかはし まい、本名:岩井堂聖子(いわいどう せいこ)生年月日1984年2月23日)は、福岡県出身でアミューズ所属の女優、タレントです。シンキ「ノーローン」のcmで注目されるようになり、期待...
Weblog: 戸田恵梨香 画像 壁紙の情報紹介
Tracked: 2006-10-07 13:29